本書では、以下のテーマを取り扱っています。それぞれについて詳しく知っている訳ではないのですが、魔術師とか神殿などが登場する非現実的な物語の世界にどっぷり浸かりながら、読み進めていくと、以下のテーマについて著者がどうやって読者に理解を届けようとしているのかといった工夫を感じることができて、とても楽しく読み進めることができました。
- チューリングマシンの表現
- 文字列のマッチング
- 二進法による表現
- 情報の符号化
- 数の計算
- さまざまなチューリングマシン
- 二進法による文字の表現
- 機械の自己複製
- 万能チューリングマシンの概要
- 記憶装置
- 停止性問題
- 電気回路によるチューリングマシンの表現
- 暗号
勉強というと、机の前に座ってとか、ちょっと構えてしまうところがあると思うのですが、本書は楽しみながら学習できるのがいいですね。さらに興味関心が湧き上がってくるような感覚も味わえます。
上記のテーマについて、全く知らない方が読むのはひょっとして難しいのかもしれませんが、例えば基本情報技術者試験に向けて学習を進めている方にとっては、とても楽しめるのではないでしょうか。RSA暗号が桁数が大きい合成数の素因数分解問題が困難であることを安全性の根拠としていることは知っていても、どの位困難なことなのかを感覚として持っておくことは必要なことだと思います。「第21章 破滅」をドキドキワクワクしながら読んでいるうちにそのような感覚を養えると思いますよ。