Mae向きなブログ

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はじめまして物理

オイラーの贈物ー人類の至宝eiπ=−1を学ぶ』がとても楽しい本だったので、同じ著者が書かれた本書も読んでみました。

今まで運動方程式F=ma

a = \dfrac{F}{m}
ma = F

であると、あまり意識したことはないのですが、こう書くことで「加速の影に力あり」「質量mの物体が、加速度aで移動している。その原因は力Fである」と自然に考えられるようになりますね。

第3部では「硬い機械」「柔らかい機械」の話が出てきます。

消しゴムに鉛筆の芯を当て、ゆっくり押し込む。そして鉛筆を押し込みながら消しゴムが押し返す力を感じる。芯が消しゴムの表面に穴を開ける直前まで力を入れ、「もうダメだ」と限界を感じたところで止める。

これは人間にとってはとても簡単なことですが、これをロボットにさせようとするとき、消しゴムの位置を厳密に決め、消しゴムの成分を調べ、弾力性を調査して鉛筆を押し込む力を決定するなどの手法だと対象が風船と針、患者とメスと言う組み合わせではとても使い物になりません。

人間が消しゴムと鉛筆、風船と針、患者とメスと組み合わせが変わっても対応できるのは、先が触れた瞬間に表面の変化を見て、手先でその弾力を感じて、そこから方針を立てることができるからですね。

ではどうやってロボットに力を感じさせるか?ですが、位置の情報を利用するんだそうです。位置の時事刻々の変化は速度であり、速度を微分することで加速度、すなわち、質量当たりの力を得ることができるんですね。

物理を学びはじめるときに学んだ運動方程式の見方を少し変えることが、遠隔手術にも応用できるような分野につながっていると思うととても夢のある話ですね。ぜひ、多くの若い世代の人に読んでもらいたい本だと思います。

はじめまして物理

はじめまして物理

  • 作者:武, 吉田
  • 発売日: 2017/02/09
  • メディア: 単行本