Mae向きなブログ

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夢があふれる社会に希望はあるか

日本に登場したキャリア教育は、「夢追い型」とも呼べる特徴を持っており、それは「夢を脅迫する社会」をつくりあげる一翼をになってきたが、「夢追い型」キャリア教育の実践には、4つの「落とし穴」があると著者は述べている。

  1. 「夢」や「やりたいこと」がない子どもたちを追い詰めてしまう
  2. 日本における採用と雇用は、「就社」の形態を主流としているという現実と齟齬がある
  3. 夢を見つけさせるところまでは熱心であるが、見つかった夢じたいを掘り下げていない
  4. 夢を実現できなかった時にどうすれば良いかは、教えてくれない

「今年小学校に入った子どもたちの65%は、彼らが大学を卒業した時点で、今はまだ存在しない職業に就くだろう」という変動の激しい時代、子どもたちに夢を持つことを強制し、それを実現するためには、どうしていく必要があるのか逆算していくよりも、「計画的な偶発性(プランド・ハプンスタンス)」、偶然のチャンスを生かして、上手に転換を計りながら自らのキャリアを歩んでいくという考え方は今の時代にあっているような気がします。

若者はなぜ「就職」できなくなったのか?

以下は、「学校から仕事への移行」プロセスをつくりあげていく際の3点セット

  • 学校教育の職業的レリバンス(職業との結びつきや関連性)の強化
  • 格差的な労働市場の改善
  • 職業能力に資する生涯学習社会の構築

制度改革を伴うような改革は、一朝一夕には実現しないが、

  • キャリアガイダンスの改善
  • 労働者の権利や働く場のルールについての学習を組織的に展開する

は今すぐにでも、明日からの教育実践においても取り組み可能

大規模言語モデルは新たな知能か ChatGPTが変えた世界

まさに「この世界をChatGPTが変えた」2023年も終わりつつありますが、インターネットやiPhoneが登場したときと同様のインパクトがあった年ではないでしょうか。

本書は、数式がひとつも登場しないため、読みやすく、大規模言語モデルについて、おおまかに理解する(汎化?)にはいいのではと思います。

囲碁や将棋の世界で人間がコンピュータに負けたとき、一抹の寂しさのようなものを感じましたが、プロ棋士も将棋ファンもAIをうまく活用し楽しめる世界が広がっているとのこと。 道具をうまく使って進化してきた人類ですから、大規模言語モデルもうまく活用できるのではとの思いを持って読み終えることができました。