第155回芥川賞受賞作品。とても考えさせられました。 特に印象に残っているのは、p77の以下の文章。
あ、私、異物になっている。ぼんやりと私は思った。
店を辞めさせられた白羽さんの姿が浮かぶ。次は私の番なのだろうか。
正常な世界はとても強引だから、異物は静かに削除される。まっとうでない人間は処理されていく。
そうか、だから治らなくてはならないんだ。治らないと、正常な人達に削除されるんだ。
家族がどうしてあんなに私を治そうとしてくれているのか、やっとわかったような気がした。
- 作者: 村田沙耶香
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2016/07/27
- メディア: 単行本
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